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資料にある傷

このサイトは、親子関係をすべて一次資料で裏づけています。 その一次資料の中に、資料自身の傷が見つかることがあります。

直しません。注記して、そのまま引きます。 なぜそうするのかと、見つかった傷の一覧をここに置きます。

なぜ直さないのか

番号の書き間違いなら、正しい番号は別の欄から分かります。 直したほうが読みやすくなる場面もあります。

それでも直さないのは、直した時点で、引用が引用でなくなるからです。

このサイトの値打ちは「資料にこう書いてある」と言えることだけです。 一か所でも「資料にはこう書いてあるが、こちらで直した」が混ざると、 どの行が資料のままで、どの行が手を入れたものか、読む人には区別できなくなります。

だから間違っていると分かっているところも、間違ったまま引いて、横に注記します。

紙の時点で間違っているもの

報告書を書いた人、または組んだ人の間違いです。

文書 書かれている 正しくは どう分かるか
ハツニシキ(奥羽224号) 奥羽244号 奥羽224号 同じ文書の地方番号とineCodeが224号
テドリワセ(越南6号) 越南5号 越南6号 石川県の項の結論で、文書自身の品種名と違う
水稲農林42号(北海103号) 水稲北陸103号 北海103号 育成地が北海道農業試験場上川支場
ミネアサヒ(中部17号) 奨助品種 奨励品種 同じ文書の別の箇所が「奨励品種」

4件とも番号か語の書き間違いで、特性や年の記述ではありません。 資料がどこで間違えるかには偏りがある、ということです。

紙から電子に移すときに落ちたもの

こちらは報告書の間違いではなく、電子化の傷です。

「?先」——同じ部位が4通りに書かれている

芒及び?先色 無芒で?先色は紅色である。(ヤマセシラズ)

籾の先端の色のことです。データベースの中で4通りに書かれています。

書き方 出てくる文書
ふ先 ナツミノリ(東北58号)
桴先 ワカクサ(越南39号)
?先 ヤマセシラズ(東北63号)・ワカサ(越南15号)・ヤマホナミ(越南18号)

「?」は1件の事故ではなく、電子化の癖です。 もとの紙では「稃」のような字が使われていて、置き換えられなかったものと思われますが、 どの字だったかは分からないので、そのまま引いています。

文字の形が崩れているもの

ミネアサヒ(中部17号)の文書には4か所あります。

書かれている 本来
出徳期の分離がみられた 出穂期
極数は中位で 穂数
カラバ工にも強く カラバエ
奨助品種への採用 奨励品種

新しい文書のほうが崩れが多い向きに見えます。 古い文書は活字を組んだもので、新しい文書は紙をそのまま読み取ったものだからでしょう。 ミネアサヒの文書は昭和55年(1980年)で、このサイトの来歴文書ではいちばん新しいものです。

水稲農林19号の「宗谷船地方」も読み取りが崩れていると思われますが、 どう崩れたかが分からないので、本来の形は書きません。

落ちているもの

文書 落ちているもの
水稲藤坂4号 「同23年 月」——月が空白
ヤマセシラズ 「粒着は密で脱粒難粒は稍大粒で」——句読点
ハルカゼ 普及地帯を委ねている添付ファイルそのもの(ファイル名:関東74号 普及地帯)

ハルカゼの添付ファイルは、データベースにありません。 別紙や図版が落ちると、本文がそれを指しているまま残ります。

落ちるのは紙の資料だけではありません。 青森県産業技術センター農林総合研究所の品種データベースのまっしぐらのページには、 「「まっしぐら」の来歴」という見出しがありますが、その下に本文がありません。 育成した機関自身のページで、来歴の枠だけが残っています(2026-10-08 確認)。 この品種の交配年を書いた資料を、私たちはまだ見つけられていません。

資料どうしが食い違っているもの

これは傷ではなく、別の資料が別のことを言っているという形です。 片方に決めずに「諸説あり」として記録しています。

何について 食い違い
コシヒカリの交配年 農研機構の来歴文書4本が昭和20年、新潟県と発明協会が昭和19年(本文は1944年を採る)
カガニシキの稈 自分の文書は「農林1号より強く稈も強い」、3年後の同じ県のテドリワセの文書は「やや強い程度、稈は強くなく倒伏しやすい」
クレナイモチの親 来歴文書は「ホクヨク」、コシヒカリの子一覧は「ホウヨク」
ともほなみの親 来歴文書は母ミネアサヒ・父戦捷でコシヒカリに触れておらず、子一覧の交配組合せと合わない(解けるまで個別ページを作っていない)

傷は、こちら側にもあります

ここまでは資料の傷の話でした。取り込むこちら側にも傷があります。

品種登録データベースの「由来」の文は、かならず「〜水稲、粳種である」で終わります。 ところが、このサイトが引用していた53件のうち19件が、そこまで届かずに切れていました。

…障害型耐冷性及び葉いも(ハマコワセの、切れていたときの引用) …いもち病推定遺伝子型がPi-(おまちかねの、切れていたときの引用)

語の途中で切れているので、資料がそう書いているのではありません。 取り込んだときに打ち切られたものです。 2026-10-08に、19件すべてを原文から取り直して差し替えました。 英語版と繁体字版は切れたところを文として丸めていたので、そちらも書き直しました。

取り直したついでに、53件すべてを原文と機械で突き合わせました。 残りの34件は一字も違っていませんでしたが、30件が文末の句点を落としていました。 これも足しました。

おくひかりの引用にある「育成さ れた」の空白は、 こちらの傷ではなく、資料がそう書いています。 同じ文には「耐冷性が 強く」にも空白があります。残します。

もうひとつ、こちら側の傷がありました。 はなの舞いの表記について、このサイトは 「農研機構の一覧は『はなの舞い』、品種登録は『はなの舞』」と書いていました。 2つの表記を、機関ごとに逆に書いていました。 品種登録データベースの名称の欄は「はなの舞い」で、「はなの舞」と書いているのは 同じデータベースの華光の由来文のほうです。 表記は機関で分かれていませんでした。同じ資料の中に両方ありました。

3つめのこちら側の傷は、資料を読み切っていなかったことでした。 ともほなみ(中部125号)の来歴文書について、このサイトは 「コシヒカリには触れていない」と書いていました。 触れていました。 後の段落に「2001〜2002年にかけて「稲系IL946」に「コシヒカリ」を2回交配し」とあります。 最初の一文だけを読んで、食い違いだと判断していました。 2026-10-08に全文を読み直して、食い違いではなかったことが分かりました。

資料の傷は直さずに残しますが、こちら側の傷は直します。

気づいた経緯も書いておきます。 強調の記号が本文に出ているページを直していて、引用の末尾を機械で見比べたときに分かりました。 1件ずつ目で読んでいる限り、気づけていませんでした。 はなの舞いのほうは、切れた引用を取り直すために名称の欄を開いて、 書いてある名前が自分のページと違うことに気づきました。

読む人へ

資料に傷があることは、資料が使えないということではありません。 どこが傷かを言えるのは、ほかの欄や別の文書と突き合わせられたからです。

このサイトが出典をすべて並べているのは、 同じ突き合わせを、読む人が自分の手でもう一度できるようにするためです。

出典

  1. イネ品種データベース検索システム「奥羽224号(ハツニシキ)」品種来歴文書 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 確認日 2026-10-01
  2. イネ品種データベース検索システム「越南6号(テドリワセ)」品種来歴文書 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 確認日 2026-10-01
  3. イネ品種データベース検索システム「北海103号(水稲農林42号)」品種来歴文書 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 確認日 2026-10-01
  4. イネ品種データベース検索システム「中部17号(ミネアサヒ)」品種来歴文書 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 確認日 2026-10-01
  5. イネ品種データベース検索システム「東北63号(ヤマセシラズ)」品種来歴文書 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 確認日 2026-10-01
  6. イネ品種データベース検索システム「越南15号(ワカサ)」品種来歴文書 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 確認日 2026-10-01
  7. イネ品種データベース検索システム「越南18号(ヤマホナミ)」品種来歴文書 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 確認日 2026-10-01
  8. イネ品種データベース検索システム「越南39号(ワカクサ)」品種来歴文書 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 確認日 2026-10-01
  9. イネ品種データベース検索システム「ふ系19号(水稲藤坂4号)」品種来歴文書 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 確認日 2026-10-01
  10. イネ品種データベース検索システム「関東74号(ハルカゼ)」品種来歴文書 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 確認日 2026-10-01
  11. イネ品種データベース検索システム「北海79号(水稲農林19号)」品種来歴文書 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 確認日 2026-10-01
  12. イネ品種データベース検索システム 来歴文書「クレナイモチ」 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 確認日 2026-09-25
  13. イネ品種データベース検索システム「越南17号を親とする品種一覧」(全607行) 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 確認日 2026-10-01