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テドリワセ

親は水稲農林23号(母本)と水稲農林1号(父本)です。1943年に交配。育成は農林省農事試験場鴻巣試験地(交配)→ 新潟県農事試験場 → 農林省長岡農事改良実験所 → 農林省福井農事改良実験所 → 福井県立農事試験場。

越南6号 ETU0000060

森多早生 → 水稲農林1号 陸羽132号 → 水稲農林1号 陸羽20号 → 陸羽132号 亀の尾4号 → 陸羽132号 愛国 → 陸羽20号 水稲農林23号 → テドリワセ 水稲農林1号 → テドリワセ テドリワセ → チドリ テドリワセ 越南6号 水稲農林23号 近畿35号 水稲農林1号 北陸4号 森多早生 陸羽132号 陸羽20号 亀の尾4号 愛国 チドリ 越南37号
系統図には、この品種の親と、コシヒカリへつながる血筋を描いています。子孫については、作付割合のある主な品種だけを描き、もう一方の親は下の一覧に交配組合せとして全件記載しています。図に描いていない子孫も、下の「子孫」に全件出しています。うすい枠は品種名のついていない育成系統です。

親

子孫

続柄は、いちばん近い血のつながりで数えています。系統図の段は交配の順序で決めているので、経路が複数ある品種は続柄より下の段に描かれることがあります。

子 1

近畿35号は、のちの農林23号

農林省農事試験場鴻巣試験地において、昭和18年「近畿35号」後の農林23号を母とし、「農林1号」を父として人工交配を行い

「近畿35号」後の農林23号。1つの文の中で系統名と農林番号が結ばれています。

交配時点では近畿35号で、文書を書いた時点では農林23号になっていた。 コシヒカリの母も、交配時点では近畿34号、のちの農林22号でした。 系統図を品種名だけで組むとつまずくのは、この書き方があるからです。

父は水稲農林1号。交配は昭和18年=1943年で、コシヒカリの前年です。

農林1号の弱点を、県が番号で数えている

石川県が奨励品種に採用したい理由として、この文書は農林1号の限界を書きます。

石川県における水稲作付面積中 %を占める「農林1号」は極めて良好なる多数の特性を有するもイモチ病耐病性稍々弱く且つ倒伏稍々易なる欠点を有するため稲熱病常発地帯における栽培は極めて困難を伴う。

作付面積の割合は数字が空欄のままになっています。書かれなかったのか、落ちたのかは分かりません。

続いて、先に採った品種も足りなかったと書いています。

昭和25年度に奨励品種に採用した「かがにしき」は漸次その栽培面積を増大して、昭和27年度には20町歩に及んだが農林1号に比し稲熱病耐病性は僅かに強いが細稈稍々長稈のために稈は強くなく倒伏は易であり、且つ耐肥性弱きため肥沃地の栽培及び多肥栽培には不適であり米質も稍々劣る。

代わりを1つ入れても、別の欠点が出る。だから次が要る。 この繰り返しがそのまま系統図になっています。

文書が自分の名前を間違えている

石川県の項の結論部分は、こう始まります。

然るに「越南5号」は熟期「農林1号」程度の稍々短稈穂数型早生粳種で

越南6号の文書なのに、越南5号と書いてある。 前後の記述は越南6号の特性と一致します。

どちらが誤りかは文書に書かれていないので、直さずに書き留めておきます。 ハツニシキの来歴文書にも、同じ種類の食い違いがあります。

チドリの母になった

テドリワセは10年後、チドリの母になります。 相手は農林22号。つまりコシヒカリの母です。

父(農林1号)の子であるテドリワセに、母(農林22号)を掛ける。 コシヒカリと同じ2品種が、1世代ずらしてもう一度出会っています。

諸説あり

農林1号の母本の表記

同じ農研機構データベースの中で、系譜図の欄と来歴文書で表記が異なる。系譜図の表記を主とし、別表記を併記する。

亀の尾4号の表記

農研機構データベースの表記を採る。一般に流通している表記は「亀ノ尾」だが、出典が持てるほうを主とする。

まだ確かめられていないこと

21位以下は調べていません

当サイトが収録しているのは、令和6年産の作付割合で上位20品種と、それらをコシヒカリにつなぐ品種です。21位以下にもコシヒカリの子孫は多数ありますが、まだ一次資料で検証していません。

まっしぐらの交配年

青森県の奨励品種特性一覧表にも、農研機構のデータベースにも、まっしぐら(青系138号)の交配年は書かれていません。交配組合せ「奥羽341号/山形40号」と、平成16年度の奨励品種採用は一次資料で確認していますが、交配がいつ行われたかは未確認です。どちらが母本かも、同じ理由で記していません。 2026-10-08 に、育成した機関の側をもう一度あたりました。青森県産業技術センター農林総合研究所の品種データベースのまっしぐらのページには「「まっしぐら」の来歴」という見出しがありますが、その下に本文がありません。同研究所の研究報告でウェブに出ているのは第42号(2015年)以降で、まっしぐらの育成報告にあたる号は含まれていません。つまり、育成した機関自身の公開資料にも交配年が出ていない状態です。

出典

  1. イネ品種データベース検索システム 交配系譜図「越南17号」 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-10
  2. イネ品種データベース検索システム「北陸4号(水稲農林1号)」品種来歴文書 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-10
  3. イネ品種データベース検索システム 交配系譜図「北陸4号」 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-10
  4. イネ品種データベース検索システム「北陸4号を親とする品種一覧」(全263行) — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-10-01
  5. イネ品種データベース検索システム 交配系譜図「陸羽132号」 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-10
  6. イネ品種データベース検索システム 交配系譜図「陸羽20号」 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-10
  7. コシヒカリのエピソード1 〜交配から系統の育成まで〜 — 新潟県 農林水産部 農産園芸課 ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-10
  8. イネ品種データベース検索システム「越南6号(テドリワセ)」品種来歴文書 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-10-01
  9. イネ品種データベース検索システム「越南37号(チドリ)」品種来歴文書 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-10-01
  10. イネ品種データベース検索システム「山陰47号(ヤエホ)」品種来歴文書 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-10-01