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水稲農林19号

親は走坊主(母本)と二節(父本)です。1929年に交配。育成は北海道農業試験場上川支場内 農林省指定水稲新品種育成試験。

北海79号 HKI0000790

水稲農林19号 → 水稲農林42号 走坊主 → 水稲農林19号 二節 → 水稲農林19号 水稲農林19号 北海79号 走坊主 二節 水稲農林42号 北海103号
系統図には、この品種の親と、コシヒカリへつながる血筋を描いています。子孫については、作付割合のある主な品種だけを描き、もう一方の親は下の一覧に交配組合せとして全件記載しています。図に描いていない子孫も、下の「子孫」に全件出しています。うすい枠は品種名のついていない育成系統です。

親

子孫

続柄は、いちばん近い血のつながりで数えています。系統図の段は交配の順序で決めているので、経路が複数ある品種は続柄より下の段に描かれることがあります。

子 1

親がどちらも北海道の在来種

「水稲農林19号」は北海道農業試験場上川支場内における農林省指定水稲新品種育成試験において、昭和4年に「走坊主」を母とし「二節」を父として人工交配を行い

母は走坊主、父は二節。 どちらも農林番号も地方番号も持たない、北海道の在来種です。

このサイトの系統図は、たどっていくとほとんどが 陸羽132号・愛国・朝日・銀坊主といった本州の系統に行き着きます。 農林19号は別の根から来ています。

その農林19号が水稲農林42号の父になり、 農林42号の母が水稲農林1号でした。

走坊主 × 二節 → 農林19号(北海79号)
            │
農林1号 × 農林19号 → 農林42号(北海103号)

本州の線と北海道の線が、農林42号で合わさっている。 コシヒカリから見れば、農林42号は半きょうだい。 その半きょうだいの父方だけが、別の血統に続いています。

仮称名が「411」

昭和9年4月以降は「411」なる仮称名をもって、更に昭和11年4月以降は「北海79号」なる系統名をもって道内主として北部の稲作期間短き地帯にこれが種子を配付し、地方的適否を確め、昭和16年4月「水稲農林19号」なる品種名を付せるものなり。

名前が3段階で変わっています。

時期 呼び名
昭和9年4月〜 411(仮称名)
昭和11年4月〜 北海79号(系統名)
昭和16年4月〜 水稲農林19号(品種名)

水稲農林42号の仮称名は「1735」でした。 同じ上川支場で、数字だけの仮称名が使われていた。

交配は昭和4年、品種名がついたのは昭和16年。12年かかっています。

序の数が、農林20号と同じ

しかして本組織により育成せる優良新品種は既に38品種に及べり。 昭和18年3月 農林省農政局

水稲農林20号の序も「既に38品種」で、同じ昭和18年3月です。

序の年 文書 「既に」の数
昭和11年(1936) 水稲農林6号 10品種
昭和12年(1937) 水稲農林8号 18品種
昭和16年(1941) 水稲北陸19号 32品種
昭和18年(1943) 水稲農林19号 38品種
昭和18年(1943) 水稲農林20号 38品種

同じ年の2本が同じ数を書いている。 数は報告書を出した年のもので、品種ごとのものではない—— そのことが、2本並んだことで確かめられました。

気候が崩れた年に強い

本種の玄米は中粒にして「走坊主2号」に比し気候順調なる場合は大差なきかやや多く、試作成績によれば気候不順なる場合は多収なり。特に砂土系水田よりも埴土系水田においてこの傾向顕著なり。

気候が順調なら大差なく、崩れた年には多収。

チヨヒカリは逆でした。 「その年次の収量が一般的に高い場合にすぐれ、そうでない年次には劣る」—— よく取れる年に伸びる品種です。

農林19号は取れない年に差がつく品種。 しかも土質によって差の出方が違う、とまで書いています。

本種の栽培適地は地域的に稲熱病の発生被害少なきも冷害の虞れ大なる道北の北見地方、和寒以北の宗谷船地方等のごとき冷害地帯なりと認む。

冷害地帯に向けた品種。 「宗谷船地方」は読み取りが崩れていると思われますが、 どう崩れたかは分からないのでそのまま引いています。

諸説あり

まだ確かめられていないこと

21位以下は調べていません

当サイトが収録しているのは、令和6年産の作付割合で上位20品種と、それらをコシヒカリにつなぐ品種です。21位以下にもコシヒカリの子孫は多数ありますが、まだ一次資料で検証していません。

まっしぐらの交配年

青森県の奨励品種特性一覧表にも、農研機構のデータベースにも、まっしぐら(青系138号)の交配年は書かれていません。交配組合せ「奥羽341号/山形40号」と、平成16年度の奨励品種採用は一次資料で確認していますが、交配がいつ行われたかは未確認です。どちらが母本かも、同じ理由で記していません。 2026-10-08 に、育成した機関の側をもう一度あたりました。青森県産業技術センター農林総合研究所の品種データベースのまっしぐらのページには「「まっしぐら」の来歴」という見出しがありますが、その下に本文がありません。同研究所の研究報告でウェブに出ているのは第42号(2015年)以降で、まっしぐらの育成報告にあたる号は含まれていません。つまり、育成した機関自身の公開資料にも交配年が出ていない状態です。

出典

  1. イネ品種データベース検索システム「北海103号(水稲農林42号)」品種来歴文書 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-10-01
  2. イネ品種データベース検索システム「北海79号(水稲農林19号)」品種来歴文書 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-10-01