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ヤマフクモチ

親は早生桜糯(母本)と水稲農林22号(父本)です。1952年に交配。育成は農林省中国農業試験場(当時 姫路市)。

中国糯19号 CYG0000190

水稲農林8号 → 水稲農林22号 水稲農林6号 → 水稲農林22号 銀坊主 → 水稲農林8号 朝日 → 水稲農林8号 上州 → 水稲農林6号 撰一 → 水稲農林6号 早生桜糯 → ヤマフクモチ 水稲農林22号 → ヤマフクモチ ヤマフクモチ 中国糯19号 早生桜糯 水稲農林22号 近畿34号 水稲農林8号 近畿15号 水稲農林6号 近畿9号 上州 撰一 銀坊主 朝日
系統図には、この品種の親と、コシヒカリへつながる血筋を描いています。子孫については、作付割合のある主な品種だけを描き、もう一方の親は下の一覧に交配組合せとして全件記載しています。図に描いていない子孫も、下の「子孫」に全件出しています。うすい枠は品種名のついていない育成系統です。

親

子孫

続柄は、いちばん近い血のつながりで数えています。系統図の段は交配の順序で決めているので、経路が複数ある品種は続柄より下の段に描かれることがあります。

「3*農林22号」を、年ごとに文で書いた文書

農研機構の一覧は、この品種の交配組合せを「早生桜糯/3*農林22号」と書いています。 来歴文書は、その記号を年ごとの文に開いています。

「中国糯19号」は昭和27年に農林省中国農業試験場(当時姫路市)において「早生桜糯」を母として、「農林22号」を父として人工交配を行ない、翌昭和28年にその雑種第1代を母として「農林22号」を父として第1回戻し交配を行なった。さらに昭和29年に第1回戻し交配雑種を母とし「農林22号」を父として第2回戻し交配を行い

昭和27年  早生桜糯 × 農林22号      → F1
昭和28年  F1 × 農林22号            → 第1回戻し交配
昭和29年  第1回戻し交配雑種 × 農林22号 → 第2回戻し交配

3年続けて、同じ父をかけ続けている。 これが「3*農林22号」の中身です。

コシヒカリBLの「5*コシヒカリ」と同じ記法ですが、 こちらは1950年代の記録で、年ごとの文として残っています。 記号のほうが先にあったのではなく、文が記号に縮められた。

ハツミノリでは農林1号を2回使っていました。 ここでは農林22号を3回。良い親を繰り返すという考え方は、 番号時代からずっと同じです。

括弧の中に数字が入っている

粒着はかなり良く、脱粒は難(1)である。 玄米は中粒で、品質は「コトブキモチ」と同程度でかなり良い(4)。 葉いもち病に対しては「コトブキモチ」と同程度(6)、穂いもち病にはやや弱いようである(7)。 縞葉枯病に対しては普通日本水稲と同じ弱(9)である。 カラバエには強く(3)

言葉のあとに数字が付いています。 脱粒難(1)、品質(4)、葉いもち(6)、穂いもち(7)、縞葉枯(9)、カラバエ(3)。

1が強い・良い側で、9が弱い側の9段階評価と読めますが、 文書の中に凡例はありません。 このサイトは数字の意味を断定せず、そのまま引いています。

ほかの文書は「中強」「やや弱」といった言葉だけで書きます。 数字を併記するのは、この文書だけの書式です。

籾の先が色づいている糯が欲しかった

またふおよびふ先に色がないために不便な面もかなり多く、ふ先着色の早生糯の要望が強い。

籾の先に色がついていないと不便。

糯米(もちごめ)と粳米(うるちごめ)は、籾のままでは見分けがつきません。 混ざれば品質が落ちる。 だから籾の先が色づいている糯が求められていました。

ヤマフクモチはその要望に応えています。

稀に短芒が認められ、ふ先および芒は赤褐色に着色する。この着色は出穂直後は明瞭であるが、成熟期にはやや淡くなる。

出穂直後は明瞭で、成熟期には淡くなる。 いちばん見分けたい時期に色が薄れる、とも読めます。

育種の目標が、米の味や量ではなく作業の都合から出てくることがある。 その例がここに残っています。

諸説あり

まだ確かめられていないこと

21位以下は調べていません

当サイトが収録しているのは、令和6年産の作付割合で上位20品種と、それらをコシヒカリにつなぐ品種です。21位以下にもコシヒカリの子孫は多数ありますが、まだ一次資料で検証していません。

まっしぐらの交配年

青森県の奨励品種特性一覧表にも、農研機構のデータベースにも、まっしぐら(青系138号)の交配年は書かれていません。交配組合せ「奥羽341号/山形40号」と、平成16年度の奨励品種採用は一次資料で確認していますが、交配がいつ行われたかは未確認です。どちらが母本かも、同じ理由で記していません。 2026-10-08 に、育成した機関の側をもう一度あたりました。青森県産業技術センター農林総合研究所の品種データベースのまっしぐらのページには「「まっしぐら」の来歴」という見出しがありますが、その下に本文がありません。同研究所の研究報告でウェブに出ているのは第42号(2015年)以降で、まっしぐらの育成報告にあたる号は含まれていません。つまり、育成した機関自身の公開資料にも交配年が出ていない状態です。

出典

  1. イネ品種データベース検索システム 交配系譜図「越南17号」 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-10
  2. イネ品種データベース検索システム 交配系譜図「近畿34号(水稲農林22号)」 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-10-01
  3. イネ品種データベース検索システム 交配系譜図「近畿15号(水稲農林8号)」 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-10
  4. イネ品種データベース検索システム 交配系譜図「近畿9号(水稲農林6号)」 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-10
  5. コシヒカリのエピソード1 〜交配から系統の育成まで〜 — 新潟県 農林水産部 農産園芸課 ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-10
  6. 戦後日本のイノベーション100選「コシヒカリ」経緯 — 公益社団法人 発明協会 ・ 確認日 2026-09-10
  7. イネ品種データベース検索システム「近畿15号(水稲農林8号)」品種来歴文書 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-16
  8. イネ品種データベース検索システム「近畿9号(水稲農林6号)」品種来歴文書 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-16
  9. イネ品種データベース検索システム「越南12号(ヤマコガネ)」品種来歴文書 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-10-01
  10. イネ品種データベース検索システム「山陰47号(ヤエホ)」品種来歴文書 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-10-01
  11. イネ品種データベース検索システム「中国糯19号(ヤマフクモチ)」品種来歴文書 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-10-01