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ニキサカエ

親はナカセンゴク(母本)と水稲農林22号(父本)です。1955年に交配。育成は農林省九州農業試験場(筑後市/指宿試験地)。

西海75号 SAI0000750

水稲農林8号 → 水稲農林22号 水稲農林6号 → 水稲農林22号 銀坊主 → 水稲農林8号 朝日 → 水稲農林8号 上州 → 水稲農林6号 撰一 → 水稲農林6号 ナカセンゴク → ニキサカエ 水稲農林22号 → ニキサカエ ニキサカエ 西海75号 ナカセンゴク 水稲農林22号 近畿34号 水稲農林8号 近畿15号 水稲農林6号 近畿9号 上州 撰一 銀坊主 朝日
系統図には、この品種の親と、コシヒカリへつながる血筋を描いています。子孫については、作付割合のある主な品種だけを描き、もう一方の親は下の一覧に交配組合せとして全件記載しています。図に描いていない子孫も、下の「子孫」に全件出しています。うすい枠は品種名のついていない育成系統です。

親

子孫

続柄は、いちばん近い血のつながりで数えています。系統図の段は交配の順序で決めているので、経路が複数ある品種は続柄より下の段に描かれることがあります。

冬に1世代、余分に走らせた

西海75号は昭和30年、農林省九州農業試験場において「ナカセンゴク」を母とし、「農林22号」を父として人工交配を行ない、育種年限短縮の目的で、同年冬から翌春にかけて同場指宿試験地でF1を養成し、F2以降は再び九州農業試験場(筑後市)においてF8まで毎年晩期栽培により、F9以後は普通期栽培により、系統育種法を適用して育成されたものである。

育種年限短縮の目的で、同年冬から翌春にかけて同場指宿試験地でF1を養成し。

イネは1年に1回しか作れません。世代を進めるには1年かかる。 けれど指宿(鹿児島県の南端)なら、冬に1世代走らせられる。

交配した年の冬にF1を作ってしまえば、1年分先に進めます。 その後もF8まで毎年晩期栽培にして、世代を詰めている。

時間を買うために、暖かい土地を使った。 このサイトに出てくる育成経過の中で、はっきり「年限短縮」と目的を書いているのはこれだけです。

それでも昭和30年の交配が、昭和41年度でF12。11年かかっています。

二期作の、2回目のために

昭和41年度より鹿児島県において二期作の第二期用として奨励品種に採用の予定である。

二期作は、同じ田で1年に2回米を作ることです。 ニキサカエはその2回目を担当する品種として採られました。

普及見込面積   2,000ha

名前の「ニキ」は、おそらく二期です(文書には書かれていません)。

適地の記述も二期作の文脈で書かれています。

倒伏には晩期栽培では稈があまり伸びないのでかなり強いが、普通期栽培では長稈に過ぎるためやや弱い。

遅く植えれば倒れない。普通の時期に植えると伸びすぎて倒れる。 二期作の2回目は遅植えなので、そこでは強い。

父の形を受け継いだ

晩期栽培ではナカセンゴクよりも長稈、長穂で農林22号の草状に似た穂重型の粳種である。

父はコシヒカリの母と同じ農林22号。 その草姿が九州の二期作品種にまで出ています。

葉イモチ病、穂首イモチ病、シラハガレ病、モンガレ病にはいずれもかなり強く、耐病性はよく調和がとれている。

「耐病性はよく調和がとれている」。 どれか1つが突出して強いのではなく、どれも破綻がない、という評価です。

年ごとの評価が、記号で残っている

この文書には、試作地の評価が年ごとに記号付きで並んでいます。

△昭37;成熟期はアキコガネより1~3日早く、短稈で穂数がやや多い。(略)初年目であるので再検討したい。 ◎昭38;アキコガネより2~4日位熟期の早い系統で、やや長稈である。耐病性もかなりあり、各地とも病害の発生が少ない。

初年は△で「再検討したい」、翌年から◎。 採用に至るまでの判断が、年単位で記号になって残っています。

諸説あり

まだ確かめられていないこと

21位以下は調べていません

当サイトが収録しているのは、令和6年産の作付割合で上位20品種と、それらをコシヒカリにつなぐ品種です。21位以下にもコシヒカリの子孫は多数ありますが、まだ一次資料で検証していません。

まっしぐらの交配年

青森県の奨励品種特性一覧表にも、農研機構のデータベースにも、まっしぐら(青系138号)の交配年は書かれていません。交配組合せ「奥羽341号/山形40号」と、平成16年度の奨励品種採用は一次資料で確認していますが、交配がいつ行われたかは未確認です。どちらが母本かも、同じ理由で記していません。 2026-10-08 に、育成した機関の側をもう一度あたりました。青森県産業技術センター農林総合研究所の品種データベースのまっしぐらのページには「「まっしぐら」の来歴」という見出しがありますが、その下に本文がありません。同研究所の研究報告でウェブに出ているのは第42号(2015年)以降で、まっしぐらの育成報告にあたる号は含まれていません。つまり、育成した機関自身の公開資料にも交配年が出ていない状態です。

出典

  1. イネ品種データベース検索システム 交配系譜図「越南17号」 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-10
  2. イネ品種データベース検索システム 交配系譜図「近畿34号(水稲農林22号)」 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-10-01
  3. イネ品種データベース検索システム 交配系譜図「近畿15号(水稲農林8号)」 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-10
  4. イネ品種データベース検索システム 交配系譜図「近畿9号(水稲農林6号)」 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-10
  5. コシヒカリのエピソード1 〜交配から系統の育成まで〜 — 新潟県 農林水産部 農産園芸課 ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-10
  6. 戦後日本のイノベーション100選「コシヒカリ」経緯 — 公益社団法人 発明協会 ・ 確認日 2026-09-10
  7. イネ品種データベース検索システム「近畿15号(水稲農林8号)」品種来歴文書 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-16
  8. イネ品種データベース検索システム「近畿9号(水稲農林6号)」品種来歴文書 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-16
  9. イネ品種データベース検索システム「越南12号(ヤマコガネ)」品種来歴文書 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-10-01
  10. イネ品種データベース検索システム「山陰47号(ヤエホ)」品種来歴文書 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-10-01
  11. イネ品種データベース検索システム「西海75号(ニキサカエ)」品種来歴文書 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-10-01