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チョウカイ

親は水稲農林22号(母本)と陸羽132号(父本)です。1942年に交配。育成は農林省農事試験場奥羽試験地(交配)→ 宮城県立農業試験場 →(昭和22〜25年は農林省古川農事改良実験所)→ 古川分場。

東北56号 TOH0000560

水稲農林8号 → 水稲農林22号 水稲農林6号 → 水稲農林22号 銀坊主 → 水稲農林8号 朝日 → 水稲農林8号 上州 → 水稲農林6号 撰一 → 水稲農林6号 陸羽20号 → 陸羽132号 亀の尾4号 → 陸羽132号 愛国 → 陸羽20号 水稲農林22号 → チョウカイ 陸羽132号 → チョウカイ チョウカイ 東北56号 水稲農林22号 近畿34号 陸羽132号 陸羽20号 亀の尾4号 愛国 水稲農林8号 近畿15号 水稲農林6号 近畿9号 上州 撰一 銀坊主 朝日
系統図には、この品種の親と、コシヒカリへつながる血筋を描いています。子孫については、作付割合のある主な品種だけを描き、もう一方の親は下の一覧に交配組合せとして全件記載しています。図に描いていない子孫も、下の「子孫」に全件出しています。うすい枠は品種名のついていない育成系統です。

親

子孫

続柄は、いちばん近い血のつながりで数えています。系統図の段は交配の順序で決めているので、経路が複数ある品種は続柄より下の段に描かれることがあります。

半きょうだいでもあり、おじでもある

昭和17年農林省農事試験場奥羽試験地において「水稲農林22号」を母とし、「陸羽132号」を父として人工交配を行い

母は農林22号——コシヒカリの母です。 父は陸羽132号——水稲農林1号の父、つまりコシヒカリの父方の祖父です。

陸羽132号 × 森多早生 → 農林1号
農林22号 × 農林1号 → コシヒカリ
農林22号 × 陸羽132号 → 東北56号(チョウカイ)

コシヒカリと母が同じなので半きょうだい。 同時に、陸羽132号の子なので農林1号の半きょうだいでもある。 つまりコシヒカリから見るとおじ(おば)にもあたります。

同じ形をトネワセ(関東41号)でも見ました。 あちらは農林8号(コシヒカリの母方の祖母)と農林1号の子で、 半きょうだいでありながらおばでもある、という関係でした。

今度は父方で同じことが起きています。 狭い血統の中で交配を続けると、1つの関係が2つの名前を持つようになる。

稲熱病が品種を選んだ

秋田県においては農林17号(19,400町)陸羽132号(8,500町)信交190号(12,300町)大国早生5号(13,700町)等の中生種の栽培が主体をなしているが、稲熱病耐病性が中位ないし稍々弱いことがこれら品種の共通の欠点となっている。

当時の秋田県の作付が町単位で並んでいます。 農林17号19,400町、大国早生5号13,700町、信交190号12,300町、陸羽132号8,500町。 合計5万町を超える面積が、いもち病に弱いという同じ弱点を共有していた。

昭和27年は県北において稲熱病の発生が多く被害も大きかったが、その地方で行われた現地試験において東北56号の安全性が確認された。

病気が出た年に、病気が出た場所で確かめられた。 試験を設計して確かめたのではなく、災害がそのまま試験になっています。

稲熱病に対して常に警戒を要する本県の稲作において農家の要望に応え得る品種と認められる。

米質はやや劣る

東北56号は熟期が陸羽132号よりやや早い中生粳種で…玄米は中粒、米質はやや劣る。いもち病耐病性は強く耐冷性もかなりあり。収量も多いが稈が多少弱いので多肥栽培等では倒伏しやすい欠点がある。

米質はやや劣る。それを書いたうえで採用されています。

いもち病に強く、耐冷性があり、収量が多い。 米質と倒伏は劣る。どちらを取るかという選択が、昭和28年の秋田ではこう決まった。

諸説あり

亀の尾4号の表記

農研機構データベースの表記を採る。一般に流通している表記は「亀ノ尾」だが、出典が持てるほうを主とする。

まだ確かめられていないこと

21位以下は調べていません

当サイトが収録しているのは、令和6年産の作付割合で上位20品種と、それらをコシヒカリにつなぐ品種です。21位以下にもコシヒカリの子孫は多数ありますが、まだ一次資料で検証していません。

まっしぐらの交配年

青森県の奨励品種特性一覧表にも、農研機構のデータベースにも、まっしぐら(青系138号)の交配年は書かれていません。交配組合せ「奥羽341号/山形40号」と、平成16年度の奨励品種採用は一次資料で確認していますが、交配がいつ行われたかは未確認です。どちらが母本かも、同じ理由で記していません。 2026-10-08 に、育成した機関の側をもう一度あたりました。青森県産業技術センター農林総合研究所の品種データベースのまっしぐらのページには「「まっしぐら」の来歴」という見出しがありますが、その下に本文がありません。同研究所の研究報告でウェブに出ているのは第42号(2015年)以降で、まっしぐらの育成報告にあたる号は含まれていません。つまり、育成した機関自身の公開資料にも交配年が出ていない状態です。

出典

  1. イネ品種データベース検索システム 交配系譜図「越南17号」 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-10
  2. イネ品種データベース検索システム 交配系譜図「北陸4号」 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-10
  3. イネ品種データベース検索システム 交配系譜図「近畿34号(水稲農林22号)」 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-10-01
  4. イネ品種データベース検索システム 交配系譜図「近畿15号(水稲農林8号)」 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-10
  5. イネ品種データベース検索システム 交配系譜図「近畿9号(水稲農林6号)」 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-10
  6. イネ品種データベース検索システム 交配系譜図「陸羽132号」 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-10
  7. イネ品種データベース検索システム 交配系譜図「陸羽20号」 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-10
  8. コシヒカリのエピソード1 〜交配から系統の育成まで〜 — 新潟県 農林水産部 農産園芸課 ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-10
  9. 戦後日本のイノベーション100選「コシヒカリ」経緯 — 公益社団法人 発明協会 ・ 確認日 2026-09-10
  10. イネ品種データベース検索システム「近畿15号(水稲農林8号)」品種来歴文書 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-16
  11. イネ品種データベース検索システム「近畿9号(水稲農林6号)」品種来歴文書 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-09-16
  12. イネ品種データベース検索システム「越南12号(ヤマコガネ)」品種来歴文書 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-10-01
  13. イネ品種データベース検索システム「山陰47号(ヤエホ)」品種来歴文書 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-10-01
  14. イネ品種データベース検索システム「東北56号(チョウカイ)」品種来歴文書 — 農研機構 次世代作物開発研究センター ・ 一次資料 ・ 確認日 2026-10-01